みなみの備忘録

とあるライブラリアンの備忘録です。

7/27 IIIFハンズオンセミナー&第4回CODHセミナー参加メモ

気づけば前回のメモから2か月。随分空いてしまった。。。

今日はNIIで開催された2件のイベントに参加しました。

IIIF_WS - 次世代人文学開発センター 人文情報学拠点

第4回CODHセミナー デジタルアーカイブにおける画像公開の新しいトレンド~IIIFが拓く画像アクセスの標準化と高度化~ | 人文学オープンデータ共同利用センター

 

午前中はIIIFハンズオンワークショップ。人文情報学研究所の永崎先生によるIIIF基本講座。初めにUSBが配られ、今回のPPT資料のみならず、サンプルコードやビューワー(Mirador)まで大量にもらった。。。本当に無料でいいのかこのWS。

①IIIFが以下に便利か、を知ってもらい、②今後IIIFを説明する際の参考資料として、さらに③今後自分でコードを書いてみたい人のために使えるもの、とのことなので、普及活動する機会があれば使います。はい。

午後はCODHセミナー、NIIの北本先生取りまとめのもと、一人8分でLTのような発表がたくさん。IIIFの活用事例がこんなに出てくるものか、と驚いた。

さて、資料は後日ウェブで公開されるとのことなので、ここからはざっくりとまとめだけを。

IIIF (International Image Interoperability Framework) は、画像の相互運用のために提案された「規格」、やや意訳すればプロトコルのようなものの様子。IIIFに沿った形で画像を準備しておき、APIを介してIIIFに対応したビューワーで閲覧することで、異なる種類の画像、異なる場所に置かれている画像を自分のビューワー上で重ね合わせたり、ズームさせたり、画像処理を加えたり、あるいは該当箇所にアノテーション(注記)をつけて共有することができるようになる。これらの機能を使いこなして始めてIIIFの意義が出てくる、と言えそう。

こういった機能が重要視される背景に、西洋の図書事情だったり(西洋に限らず)研究の手法があるとのこと。綺麗な絵があると、図書から切り取って別途保存している例が多数あり、絵は別々の機関に保存されていることもある。また、同じ創作者の作品かどうかを同定するために、人の顔の部分だけをひたすら比較する必要があったりするため、美術系の研究者はコピーを取ってハサミで切って貼り付けて様式を研究したとか。。。

様々な機関に保存されている資料を集めるのは非常に困難なので、これをビューワー上で行えるようにするため考え出されたもの、と理解した。また、新しい技術をほぼ使っておらず、既存の技術とオープンソースの組み合わせで規格が実現できるため、ローコストであることも特徴、とのこと。

規格なので、出来るだけ多くの人がIIIFに沿って画像を公開すること、かつビューワー側も使いやすく様々な機能が提供されること、が普及のカギになると思われる。実例は沢山ありすぎて紹介しきれないが、個人的には井村さんのDrupal+IIIFの管理が面白そうに感じた。Drupalで画像のメタデータ管理(自前の検索用)、画像は別途のサーバにおいてIIIF対応させる、という手法。今度詳しく聞いてみたい。