みなみの備忘録

とあるライブラリアンの備忘録です。

6/18 図書館×メタデータ・組織化セッション

JOSS2018ではもう一つ、図書館関係セッションの座長をさせていただきました。

セッション詳細 6月18日(月)|Japan Open Science Summit 2018(JOSS2018)

ご登壇の皆さま、ご参加の皆さまには改めて御礼を。
こっちはメタデータ・組織化がテーマ。データ管理の実務を語っていただきつつ、図書館員が貢献できるところはどこかを考える構成。社会科学、自然科学、材料科学の実務+JPCOARスキーマの可能性を語ってもらいました。超マニアックなテーマ(?)と自負していたものの、会場が埋まっていて結構焦りました。。。
例によって資料は別途公開予定なので、個人的な感想と考察を。
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研究データの流通というときはメタデータの作成がまず初めに意識されるものの、実データの組織化が非常に重要、というのが最近の認識。所蔵・アクセス先が分かれば使い方も自動的に分かる紙やPDFと違い、データはフォーマットが基本バラバラなので、横断検索を意識する場合、せめて流通先のデータは利用者にとって適切なフォーマットになっていないと厳しい。
FAIRification processの図を趣旨説明で持ってきたのもそういった点からだが、

www.go-fair.org


今回はそこまで踏み込めなかったのがちょっと残念。標準化業務の一環として、多分こっちも図書館員の仕事として見込めるはず。FAIR手順の具体化については今後も着目したい。

 

ディスカッションでは、大向先生の整理のおかげで

ドメインメタデータ作成支援(ドメイン指向)

②データとデータのミッシングリンクの作成(繋がり指向)

の2点に論点が絞られ、結構具体的な業務イメージが出来てきた印象。研究者により近い支援として①を推したいけれども、②はサービス展開として非常に重要。実現可能性がありそうな持っていきかたとしては、

ドメインメタデータ作成支援(ドメイン指向)

  •  大学院生との連携の枠組みの一環として、特定分野のメタデータ作成を図書館員+大学院生で行う。某大学が目録作成業務で似たような体制を取っていたはずで前例があり、天野さんが指摘されていた「トレーニング」にも合致しそう。

②データとデータのミッシングリンクの作成(繋がり指向)

くらいかな、と妄想したり。もっとも、①については分野別図書館なら図書館員だけでも出来るはず(というか今自分でやってる)。メタデータの数によるけど。
それと、ディスカッションの最後、図書館員に対する信頼への質問は核心をついたものだと思っている。能力と態度を示していない相手と協働することはなかなか難しいが、(質問は前後するけれども)琉球大学の大谷さん(登壇者)が「図書館員として」JPCOARスキーマの適用可能性を他の登壇者に聞いていたのはその点で非常に大きい、と思う。
後は各機関内での実践相手をどう見つけるか、どう売り込むか。データリポジトリのネットワークが出来てくるとその辺のマッチングも考えられそう、とか思っていたところ翌日のセッションでネットワーク作りが始まっていたので、

 

・研究データ管理を考える~データリポジトリのサービスとCoreTrustSeal認証~
(研究データ利活用協議会リポジトリ小委員会)

セッション詳細 6月19日(火)|Japan Open Science Summit 2018(JOSS2018)

相乗効果を期待したいところ。